3.11に哀悼の意を

もう10年経ったんだ、と10年前の記憶がまるで昨日のようによみがえります。

震災の数日後、災害支援のメンバーとして石巻に行きました。空路で到着した羽田空港はがらんとし、東京から仙台までの高速道路を走行する車両は全国から被災地に向かう災害支援車両や自衛隊の車両のみで異様な風景でした。夜になって到着した被災地はライフラインが停止しており暗闇の世界でした。そして翌朝見たまちの景色は想像を絶するもので立ちすくんでしまいました。多くの命が失われました。何年たっても残された者の悲しみが癒えることはなく、愛しい人を思い出しては涙する日々だろうと、自分と重ねてしまいます。

菩提寺の住職さんが「愛しいお方は懐かしい人たちに会い、さみしい思いはしていないので、心配しなくていいですよ。そしてあなたのことをずっと待ってくれているから」と諭してくれるのにいつも救われています。

この椿は昨年の夏すべての枝切をしましたが、先日庭を見ると新しい芽を出し、元気に花をつけていました。10年前にいた人が今はいないことはとても悲しく寂しいけれど、残された者は命がある限り今を生き抜かないといけないと思っています。